こんにちは。
千葉県木更津市 スウェディッシュサロン ゆるり間 セラピストの松井まなえです。
作家 本谷有希子さんのお話です。
依頼された仕事を引き受けるかどうか一週間以上考えあぐね、一旦はお断りをしたが、直後に訂正の電話をいれて引き受けることにした。
そして、すぐに取りかかり、新幹線で移動中にその仕事をやり終え、嬉しくなると同時に、悩んでいた一週間はなんだったのだという悔しさが湧いてきた、というのです。
たとえ、迷いや悩みを伴っていなくても、行動を起こし終わらせるまでの時間より、一歩を踏み出さずにいる時間の方が長い、ということが私にはしばしばあります。
小さな話で恐縮ですが、タイムリーなのは歯科検診の予約です。
痛くなってから歯科医院に駆け込むと、それはそれは大変なことになるということを思い知っているので、なるべく問題が小さなうちに手を打っておきたい、という恐怖心から定期的に検診を受けています。
「予約の電話をしなくては」と思いつつ、なかなか行動に移さずにいました。1分で済む電話を先延ばしにしているけれど、常にそのことが気にかかっている、という状態です。
本谷さんのエピソードを読んだ勢いで、予約の電話をしたところ、(これまでの経験上、2週間くらい先になることもある中で)なんと翌日の予約がとれちゃいました! 予約を済ませれば、あとはもう行くのみです。
こういった出来事の後にいつも思うこと、それは「な~んだ、簡単。もっと早くやればよかった」です。そろそろ学んでもいい頃なのですが・・・。
脳の3つの領域について
脳科学者 中野信子さんがラジオでお話しされていた内容が興味深かったのでご紹介します。
【 多くの人は何か動作をするとき、意思決定をした後に運動機能に命令がいっていると思いがちですよね。でもこれは間違い。実は運動機能のほうが意思決定よりも先に活動しているんです。
私たちの脳の中の「意思決定の領域」「運動機能の領域」「情動の領域」の3つが関連しているんですが、この3つの領域には優劣があります。「意思決定の領域」は進化の後のほうにできた領域で、脳の中心から遠い。そのため他の2つの領域に比べて力が弱いんです 】
運動機能が意思決定より先に活動している例として、じゃんけんが挙げられていました。
「パー」を出そうと意思が決めて「パー」を出しているのではなく、運動機能が「パー」を出すと先に決めることで「パー」を出しているなんて、何とも不思議な感じがします。
じゃんけんで思い出したことがあります。
ある人とじゃんけんをすると、決まって私が負ける、ということがありました。あまりに連敗するので、ある時尋ねてみました。相手は笑いながらあっさり答えをくれました「いつもチョキ出すじゃん」と。
しかも、その人が言うには「ほぼチョキ、ごくまれにグー」だそうです。なので、相手はとりあえずグーを出しておけば負けない、ほぼ勝てるとのこと・・・。
私の中で、なぜか、その人と「チョキ」が結びついていたようです。もはや条件反射に近かったのかもしれません。
脳内で綱引きが行われている?!
引き続き、中野さんのお話。
【 運動機能をコントロールするには、「意思」ではなく「情動」に働きかけることが重要なんです。
「意思決定の領域」は脳の中心から遠い部分にあるので、不安を感じる「情動の領域」と綱引きをした場合、必ず負けてしまうんです。だから「怖い」と思う気持ちを意思の力で抑え込もうとすると、より「情動の領域」が活発になっちゃうんです。
だからこそ必要なのは、「情動の領域」の不安な気持ちに寄り添って、なだめてあげること。
「情動の領域」が「僕の不安をわかってくれた」と活動を抑えてくれます 】
一旦ここで「情動」とは何か? という点に触れておきます。
聞き慣れない言葉です。
「恐怖、驚き、怒り、悲しみ、喜びなどの感情で、急激で一時的なもの」だそうです。
意思の力をもってして、頑張れば頑張るほど逆効果。更に、情動はその力を強めてくる。恐るべし情動・・・。
情動を擬人化して「そっか、不安なんだね」と優しく話しかけてあげるのが効果的というのは、とても面白いです。
「情動ちゃん」への共感力が求められています。
人間関係(対ひと)において共感が重要であるだけではなく、自分の中でさえも共感が必要とされている、ということは驚きです。
今回はここまでです。またお会いしましょう。
千葉県木更津市 スウェディッシュサロン ゆるり間 セラピストの松井まなえでした。